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能面制作は型紙を使った写し技法

写そうとする面の形を紙にかたどり、それを素材にあてがって制作する「写し」技法は、桃山時代末期の頃から用いられたと伝えられています。(野村鶯)

以下のように、幾つもの工程を一人でします。


1 型紙切り:美濃紙で手本とする面の型紙の写しを切り出す。

2 型紙の種類は面全体を真正面から見た面型、真横から見た縦型、面を横に額、目、鼻、鼻下、上下唇、顎などの横型などがある。

3 木取り:面型で輪郭を切り出し、額、目、鼻下、口、顎の凹んだ部分にノコで切り込みを入れる。

4 荒どり:縦型で頭頂と顎に合うまで削り、額、目、鼻、鼻下、上下唇、顎などの横型に合うよう削る。

5 仕上げ:目、鼻、口、歯の寸法をとり、それぞれの型紙に合うように削る。

6 裏面を彫り、目、鼻、口、紐穴を面裏を見ながら開ける。

7 ヤニ抜き:面をアルコールに一昼夜つけた後、煮沸する。

8 裏面の漆塗り:人工漆のポリサイトを塗って、ふき取る。

9 下塗り:にかわで溶いた胡粉を塗り、表面を滑らかにする。

10 上塗り:同じく顔料を加えた細かい胡粉を塗る。

11 彩色:混ぜた顔料を含ませたタンポ(スポンジを羽二重に包んだ)を打つ

12 目、歯、鼻の穴、髪に墨、唇に朱を入れ、古色(ススと青墨を水で溶く)をつける

13 耳穴部分を水で濡らし竹べらで余分な胡粉をそぎ落とす。髪の部分を水で濡らし竹べらで全体にキズをつける。

14 乾いた布でこすると艶が出てくる。   

  

   彫り半分、彩色半分の長い工程を経て、完成です。




能面の各種型紙

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