小面を打つ
- 福男 谷
- 2020年1月14日
- 読了時間: 1分
更新日:2022年5月18日
能面を自分の手で打ってみたいと思う人が、最初に挙げるのが小面です。
小面は可愛い相貌ですから,誰しもが憧れます。
小面は、般若などと違って単調なつくりに見えますので、目や鼻、口を作れば小面になってしまうと思いがちです。
般若などが、形がはっきりしていて、線を掴まえやすく造作がしやすいのに比べ、小面は線や立体感が掴めないために、頬の作り方やあごの作り方などが難しいのです。また目の作り方によって、額や頬が影響を受けて、おかしな形になってしまいます。それだけ億の深い面なのです。しかし、面打ちの工程を覚えるには、小面は最小限の作りになっていて、基本的な工程でできますから、小面から打つことが一良いと思います。
小面は造作がし易いように見えながらも微妙な技巧が求められます。
ですから、彫りの技術を高め・極めるのにも適しています。また、立体感を学ぶにも良い能面であると思います。
「面打ちを極める」、「真の小面を打つ」。そのためには大変な努力と時間が必要ですが、それこそが面打ちの楽しみでもあります。(能面師 長沢氏春)』
まさに、小面・女面の繊細な造形は、打つたびに新たな難しさ感じるとともに、楽しみでもある。
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